2011年09月30日
ちょびっと良い話
和歌山県立和歌山工業高(和歌山市)で6年以上発行されている校内チラシ「週刊タバコの正体」が、生徒からその家庭まで禁煙の輪を広げている。
喫煙で生徒に罰を与えるのではなく、たばこの害をコンパクトな分量で毎週地道に伝える継続の力が、効果を発揮しているようだ。【藤顕一郎】
◇多くの専門家ら協力 保護者も禁煙の輪に
「週刊タバコの正体」は、同校の奥田恭久教諭(50)が発行、毎週水曜日のホームルーム時間に全生徒約1200人に配られている。
A4判1枚、約1000字の情報だが、ニコチン依存やがんとの関係などの健康被害や禁煙成功者の体験談、医師らからの寄稿を織り交ぜ、写真も多用する。 3年の亀井裕介さん(17)は「あっという間に読めるし、負担にならない。毎回発見がある」と言う。
創刊当時、同校では休み時間に生徒が校内のトイレ入り口に見張りを立てて喫煙していた。 教員は喫煙後の煙がまだ充満するトイレを、なすすべなく巡回するばかり。 時に喫煙した生徒を特定して処分しても、後日同じ生徒が喫煙を繰り返していた。
「もっと生徒に届く指導方法はないか」。奥田教諭にヒントを与えたのは、05年2月、たばこの健康被害をテーマにして学校が開催した講演会。 講師を務めた医師から「ちゃんと話をしてやれば、真剣に聴いてくれますね」と言われ、はっとした。
罰を与えるのではなく、たばこの害を伝えることで何かが変わるかもしれない。
電子メールを通じて医師や保健師らが、健康被害や最新の研究成果を発信する「和歌山県たばこ対策メーリングリスト」も参考になった。
週に複数回届くメールには、毎回発見があった。
生徒たちの頭の片隅にたばこの害をとどめておくには、内容だけでなく頻度も重要だと感じた。執筆者を探して専門家らに連絡を取ると、多くの賛同者が集まり、発刊に至った。
発刊から半年後、生徒に匿名で感想文を書かせた。 「タバコは怖いと思う。自分でも分かっている。でも……」「やめたくてもやめられない。ニコチンパッチは高そうだし……。早くやめたい」。
たばこを吸う生徒たちの心情が揺れ始めたのが、手に取るように分かった。06年9月ごろになると、いつも吸い殻が数本落ちていた校内のトイレに、一本もない日が続いた。効果が見え始めた。
05年から実施している生徒の意識調査によると、「一生たばこを吸わないつもりだ」とする生徒は05年に61%だったが、10年には75%に増えた。
「『未成年だから』でなく、『体に悪いから』吸ってはいけないという認識が浸透している」と奥田教諭は胸を張る。
ネットからの抜粋ですが、頭ごなしに禁煙させるより、何度も何度も害を伝える事により生徒に自覚がでてきた。 このことは何かのヒントにもなりそうですね。
(写真はたばこを吸う場所がなくなりつつあるニューヨーク エンパイアステートビル屋上より)
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